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個別元本方式とはどの様なものですか

追加型株式投信では税法上の「元本」の概念として、従来ファンドを保有する全ての受益者の平均購入価額である「平均信託金」が用いられてきましたが、2000年4月以降、受益者(投資家)毎の購入時における基準価額を「元本」の額として取扱うように変更されました。

これが「個別元本方式」と呼ばれるもので、課税対象となる解約・償還差益や収益分配金を計算する基礎に「個別元本」(購入時の基準価額)が用いられます(販売手数料や消費税は「個別元本」には含まれません)。







解約・償還の場合
解約・償還時の基準価額(注1)が「個別元本」を上回っている場合、その差益が課税対象になりますが、基準価額が「個別元本」を下回っている場合には損失となるため課税されません。
注(1) : 解約時に信託財産留保額を徴収するファンドについては、基準価額から信託財産留保額を控除した価額(解約価額)が用いられます。



収益分配の場合
収益分配金を受取る際にも「個別元本」が基準となり、収益分配金のうち課税対象となる「普通分配金」と非課税扱いとなる「特別分配金」に区分されて課税額が計算されます。
 
例えば、「分配落後の基準価額」(決算日の基準価額)が「個別元本」を上回っている場合は、分配金が全て「普通分配金」(課税分配金)として支払われます(下図Aさんの場合)。

一方、「分配落後の基準価額」が「個別元本」を下回っている場合は、「個別元本」と「分配落後の基準価額」との差額部分については「特別分配金」(非課税分配金)として支払われます。また、「分配前の基準価額」が「個別元本」を上回っていれば、当該部分は「普通分配金」(課税分配金)として支払われます(下図Bさんの場合)。
 



いろいろな個別元本
2000年3月31日以前から保有している追加型株式投資信託の個別元本は、2000年3月31日の「平均信託金」を個別元本とみなします。(課税上のみなし元本)
同じファンドを複数回購入した場合、「個別元本」は移動平均により計算されます。ただし、同一銘柄であっても別の販売会社で購入された場合は、販売会社毎の移動平均となります。
追加型公社債投信についても2002年4月以降、約款変更により個別元本方式に移行できるようになりました。個別元本方式に移行した追加型公社債投信は決算日の基準価額が1万円以下の場合でもその価額で購入することができます。

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